澄んだ良心より澄んだスープが大事な要素だ

サキ短編集の一作 「盲点」

主人公ラルワアス卿のモットー

「人生においては 澄んだ良心よりも、澄んだスウプの方が 大切な要素だ」

 そのラルワアス卿に 甥が牧師を殺したのはどうも彼の料理人であるようであると その証拠の手紙を持ってくる。 牧師が殺された時 疑う人もいたのだが なんの証拠もなかったので 料理人は無罪になっていたのだ。 その手紙が あれば もう一度 取り調べが始まる 可能性が高い。
すると ラルワアス卿は その手紙をさっと取りあげて暖炉の火にくべてしまう。
甥は叫ぶ。

「何をなさるんですか。 ありふれた殺人ではありませんか?」

それに答えて ラルワアス卿は答える。

「ありふれた殺人かもしれないが 彼は ありふれた料理人じゃないからね。」

サキの短編は いわゆるショートショートと言われる物のカテゴリーに入るくらい短い作品ばかりです。
眠れない夜は この本を読みながら 朝を迎えましょう。

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