檸檬 レモン limón

スペインの市場で野菜を買うと たいていサービスで レモンかパセリをもらえます。パセリはいわゆるイタリアンパセリタイプ。
レモンもパセリもどちらも 食卓には欠かせません。
パセリは一週間で使えないくらいの束をくれます。
水につけて 台所の窓のところに置いておくと少しだけ使ったりして便利です。
レモンも小さいのを一個みたいな感じではなく でかいのをニ・三個 くれます。
そのくらいレモンは生活の中にある リーズナブルな食べ物なのだと思います。
マヨネーズも酢の代わりにレモンを使うとマイルドに仕上がります。
また 皮を パン生地やスポンジにすり下ろして入れても良い香り。
絞った後の皮は 油汚れが落ちるので 火の周りのお掃除に使ったりします。
原産は 東南アジアだそうで アレキサンダー大王によって ヨーロッパに紹介されました。



日本の文学の世界では檸檬という小説が有名ですが
同様に高村光太郎も 詩を書いています。

レモン哀歌
                  
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白いあかるい死の床で
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関ははそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光つレモンを今日も置かう

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